今回はキーロフ・バレエ(現マリインスキー・バレエ)が1985年にスタジオ収録した「シンデレラ」のDVDを観ました。
違和感たっぷりなシンデレラ
物語は、シンデレラが継母と二人の義理の姉と暮らす家からスタートします。
義理の姉たちはお城に行くための準備で大忙し。
そんな中、みすぼらしい格好をした老婆が現れます。
知らない人が家に入ってくるなんて不用心ですが、姉たちが老婆を見ても大して驚かず、あっちへ行ってという感じであしらうだけだったので、日常的なことなのかもしれませんね。
誰も相手をしてくれない老婆に対して、食べ物を恵んであげる心優しいシンデレラ。
そんな心優しい人には良いことが起こるもので、姉たちがお城に行ってしまった後、素敵なガラスの靴を与えられます。
そのガラスの靴を受け取るシーンが合成の映像で、古い映像だなというのを実感させられます。
それ以外にもスタジオ収録ということで、実際の舞台ではありえないくらいの衣装の早替りがあり、急に素敵なドレスに変わったりもしていました。
それから背景が合成だったりと、スタジオ収録ならではの演出ではありましたが、どうもしっくりきませんでした。
終始そんな感じでしたので、途中からは舞台のバレエとは別物として見るようにしました。
後半は、おかしなシーンが続き、12時になる時の秒針を12人の子供たちが変わった動きで表現しているのが面白かったです。
また、靴屋を集めて、全員違うと言って、みんなが一斉にこけるシーンはコントでした。
そして、王子が世界中を駆け回るシーンは、各国の人の衣装もひどく、それぞれ一瞬で過ぎ去っていくのには、ちょっとびっくりしました。
おかしなシーンの最後、ラストは背景などに合成を使ってはいましたが、バレエらしい踊りが見れて良かったです。
今回のDVDは通常の劇場のものではなく、スタジオで収録されたものですので、いつもとは違う感じで違和感がありました。
やはりバレエは、合成やCGといったものの中ではなく、リアルな舞台で行われるものの方がいいと改めて実感する作品でした。
最新技術のCGなら、また違った印象だったのかもしれませんが。。。。
作品情報
作品名:シンデレラ
出演:キーロフ・バレエ(現マリインスキー・バレエ)
キャスト
シンデレラ:ガブリエラ・コムレワ
王子:マラート・ダウカーエフ