舞台はポーランドの村でのお話。
主人公のスワニルダは快活な少女。その恋人のフランツは、2階の窓辺に座って読書をしているコッペリアに関心があり、手を振ったり、投げキッスをしたりしています。
恋人がいるのにそういう行動はいけませんね。
そんな様子を見ていたスワニルダは、元気で楽しい踊りと、フランツに対する怒る仕草を分かりやすいくらい見事に踊り分けているのが素晴らしかったです。
リズムの変化がいい
村の他のカップルが集まってきて、フランツと一斉に踊り出すシーンは勢いがあって、とてもかっこよかったです。
その後に続く、スワニルダとフランツを含めたカップルたちの踊りは、先ほどとは対照的にバラードでゆっくりとした踊りを見せてくれます。
こういうリズムの変化はとても見入ってしまいます。
ゆっくりした踊りの後は、スワニルダと村の少女たちの軽快なダンスで、楽しい雰囲気がとても伝わってきました。
そんな楽しい雰囲気の中でのフランツとスワニルダの仲が上手くいかない様子もうまく表現されていました。
夜になり、コッペリアの家の主のコッペリウス博士が外出するのですが、村の少年たちにからかわれてしまいます。
からかわれたことで汗をかいてしまった博士は持っていたハンカチで汗を拭くのですが、そのハンカチに包んであった家の鍵を落としてしまいます。
そんなことには気づかず行ってしまう博士。その鍵を拾ったスワニルダは勝手に家の中に侵入します。
自分の恋人の興味を引くコッペリアが居るからといって、勝手に人の家に入るのはかなりマズイ状況ですね。。。
フランツもスワニルダとは別で、ベランダにはしごをかけて勝手に侵入してしまいます。
このカップル、かなり危険な二人です^^
奇妙な動きをするあの人形は一体!?
博士の家には、数多くの人形があり、スワニルダと一緒に行った少女たちは人形で遊んでいます。
その人形の中の一つがとても人間とは思えない奇妙な動きをしていましたが、中にどんな人がはいっているかすごく知りたいです。
博士が帰ってきて、少女たちは逃げていきましたが、スワニルダは逃げ遅れ、コッペリアの後ろに隠れます。
その後にベランダから進入したフランツは博士につかまってしまいます。
コッペリアは博士が作った人形で、コッペリアにフランツの魂を移す魔法をかけてしまいます。
すると、コッペリアは本当に動き出すのですが、実は後ろに隠れていたスワニルダがコッペリアの服を着て登場しただけなのでした。
そうとはしらず、博士は滑らかな動きをするようになったコッペリアを見て、本当に魂が宿ったと思ってしまったようでした。
スワニルダ扮するコッペリアの人形のような動きは非常に見事で、本当の人形と思えるくらい素晴らしかったです。
そうこうしていると、眠らされていたフランツが目覚め、スワニルダと共に博士の部屋から逃げ出していきます。
博士は衣装を剥ぎ取られたコッペリアを見つけ、自分の実験がうまくいっていないことに悲観して、第二部の幕が閉じていきます。
最後はバレエらしく
最後の第三幕は村の結婚式のシーン。
群舞から始まり、ヴァリエーションやパ・ド・ドゥなど、バレエらしい華やかな展開を見せてくれます。
結婚式ということもあって、スワニルダは豪華な冠をつけていましたが、それをつけてあれだけ回れるのは大変だろうなと思ってしまいます。
勝手に人の家に侵入したり、人形が踊りだしたりと、破茶目茶な感じもしてしまいますが、全体としては楽しい舞台でした。
作品情報
作品名:コッペリア
出演:オーストラリア・バレエ団
キャスト
スワニルダ:リサ・パヴァーン
フランツ:グレッグ・ホースマン