バレエといえば白鳥の湖。
ということで、今回はパリ・オペラ座バレエ団の2005年に公演された白鳥の湖を観ました。
悪魔=家庭教師!?
王子の夢から舞台は始まります。
夢の中で、美しい女性が悪魔によって白鳥に姿を変えられてしまい、連れ去られてしまいます。
眠り続けている王子の周りで、王子の成人のお祝いに駆けつけた人たちが踊りはじめます。
その中で、男性が片手を腰にあてて踊る姿がありましたが、バレエでよくあるポーズで、好きな踊りの一つです。
王子は夢の中の悪魔に似た顔の家庭教師に起こされます。
ここだけみると、王子は普段から家庭教師のことを悪魔と思っているのかと考えてしまいます^^
王子は起きてすぐに周りの人たちと踊りだします。
ベッドで寝ていたわけではなく、椅子でうたた寝していただけなのですが、起きてすぐに踊るなんて、相当踊り好きですね。
その後に続くパ・ド・トロワのノルウェン・ダニエル、ドロテ・ジルベール、エマニュエル・ティボーはレベルの高い踊りを見せてくれました。
物語としてはまだ序盤なのですが、ここでフィナーレでも満足できるくらいの素晴らしさでした。
その後は、王子と家庭教師のパ・ド・ドゥ。
パ・ド・ドゥというと男性と女性が行うイメージがありますが、そうではない場合もあるんですね。
王子の一目惚れ
王子は家庭教師に湖に狩りに行くよう促されます。
湖に行くと、夢で見た白鳥が現れます。
白鳥は夜の間は人間に戻れるのですが、夜が明けると白鳥に戻ってしまいます。
それでも一人の男性に愛されることで、白鳥にならなくなると言うと、王子は即答で愛すると伝えます。
王子の一目惚れですね。
その後は白鳥たちの群舞があり、上からの映像などもあって、凄さがよく伝わってきました。
伝わった反面、劇場の前方で見ている人だと、群舞の動きの素晴らしさはあまり伝わらないのかも??と思ってしまいました。
そして、白鳥の湖の代名詞的な4羽の白鳥が登場します。
4人が横一列に並び、手をクロスさせたまま小刻みな脚の動きをさせて、非常に素晴らしかったです。
王子の心変わり
舞台は変わり、王子の花嫁を選ぶ舞踏会が始まります。
チャルダッシュやスペインの踊りといった様々な民族舞踊が披露されます。
その後、花嫁候補が出てくるも、王子は全く興味を示しません。
そこに登場するのが、ロッドバルト伯爵と娘のオディール。
ロッドバルトは最初に登場した悪魔で、オディールは王子が一目惚れした女性にそっくりな女性に変身しています。
悪魔の娘で黒い格好をしているので、白鳥と対比して黒鳥(こくちょう)と呼ばれています。
王子とオディールのパ・ド・ドゥやヴァリエーションなどがあり、最後にオディールが見せる連続回転。
いとも簡単にこなしているように見えるのがすごいところですね。
王子はその黒鳥のオディールに心奪われてしまいます。
魅惑的な女性に惹かれてしまうんですね、男性は。。。
そして、王子がオディールとの結婚を誓うのですが、そこにオデットが登場し、オデットとの誓いを裏切ってしまったことに王子は打ちひしがれます。
オデットも悲しみ、死を決意してしまいます。
ヌレエフ版の最後は悲劇
最後はオデットの悲しみを表現した踊りが続き、最初に王子が見た夢の通り、悪魔に連れ去られていってしまい、エンディングとなります。
バレエには時々「◯◯版」というのが存在します。
演出家によって中身が結構違ったりしていて、今回の白鳥の湖も色々な演出家がやっていて、パリ・オペラ座バレエ団はヌレエフ版を踊っています。
ですので、このような悲しいラストで終わったのですが、他の演出家の場合、ハッピーエンドで終わる白鳥の湖もあったりするので、同じ演目でも演出家によって全然違う印象を受けるので、それぞれを観てみたくなりますね。
それから、途中でも書きましたが、白鳥の湖は群舞の動きが非常にすばらしい作品です。
舞台は生で観る良さはあるのですが、生では見られない位置からの映像はDVDならではの良さとも言えます。
ですので、バレエを観るなら、生で観てから、DVDでもう一度観るというのが最高かもしれませんね。
作品情報
作品名:白鳥の湖
出演:パリ・オペラ座バレエ団
キャスト
オデット/オディール:アニエス・ルテステュ
ジークフリート王子:ジョゼ・マルティネズ
家庭教師/ロッドバルト(悪魔):カール・パケット
パ・ド・トロワ:ノルウェン・ダニエル、ドロテ・ジルベール、エマニュエル・ティボー