プリエとは「折りたたむ」という意味を持ち、片脚または両脚で膝を曲げ伸ばしする動きのことをいいます。
そして、かかとが床に着いた状態を「ドゥミ・プリエ」かかとが浮き「ドゥミ・プリエ」より更に膝を曲げて下方へ行った状態を「グラン・プリエ」といい、ほとんどのレッスンで一番始めに行うエクササイズです。
プリエを丁寧に正しく訓練することは、後の片足でプリエをするフォンジュであったり、ピルエットなどの回転系であったり、アレグロやグランワルツなどのテクニックに繋がっていきます。
それに、パとパのつなぎとしても正しいプリエが出来ると動きがなめらかになり、見た目の美しさにも繋がります。
よって、バレエレッスンの最初に様々なポジションでゆっくりと行われるのです。
プリエを分解
プリエは大きく分けると、準備・体が下がるフェーズ・体が上がるフェーズ・終了(次の準備)となります。
この順番に沿ってみていきましょう。
まずは準備の段階です。これは基本の立ち方ですね。
十分に体を引き伸ばし、自分の最大限のターンアウトをしましょう。
みぞおちも緩んで、力みはないか確認してくだい。
この基本の立ち方を最初から最後まで保ってプリエをします。(バレエを踊る時はいつでも保たないといけないんですけどね…)
次に体が下がるフェーズです。
プリエは膝が曲がるので、膝を曲げることを意識しがちですが、膝を曲げるには股関節も曲がらないと曲げられません。
上体を真っ直ぐのまま保ち、両足とも床に接している時は、股関節と膝関節は連動して屈曲します。
仙骨を意識
ここで思い出してください。股関節を安定させて、なお且つ大腰筋がしっかりと働いて姿勢も維持できる…それは仙骨を立てる事でした!
大腰筋がしっかり働くと引き上げやターンアウトにも役立ちましたね。
プリエで下がるフェーズも、この仙骨を意識してみましょう。
お尻が中に入りすぎるタックにならないように気をつけながら、仙骨から下へ下がろうと意識してみてください。
自然と股関節が曲がり、それにつられて膝も曲がります。
仙骨を立てて大腰筋がしっかりと働く状態を保ちながら(=上体がしっかり引き上がっている状態を保ちながら)かかとが上がるギリギリの所まで下がります。
この時、つま先と膝の方向な同じになるように気をつけましょう。
足の3点でしっかり床を押していることもお忘れなく。
かかとが上がるギリギリの所まで下がることでアキレス腱がしっかりストレッチされます。
下がる時のポイント
グラン・プリエをする場合は、このドゥミ・プリエを通って、もうこれ以上下がったらかかとが上がってしまうという状態になって初めてかかとを浮かします。
かかとを浮かせようと意識する必要はなく、自然とかかとが浮く方がいいです。
グラン・プリエでは、一番下がったところで足に乗りかかってお休みしてしまうのは、エクササイズの効果が無くなるのでよくありません。
下で待っていないといけない時は、音楽に対してプリエが早すぎたという事です。
プリエは下がる時も上がる時も一定の速度で行うことで膝の強化につながるので、音楽もよく聴いて、一定のリズムで出来るように練習を重ねましょう。
上がる時のポイント
さて上がってくるフェーズですが、上体については今までと同じ姿勢を保ちます。
大変なのは、かかとが浮いているところから体を上に上げることです。
足の2点で床をしっかりと押して、上体は特に体が上がる時にみぞおちが張らないよう注意をします。
かかとが床に着き膝を伸ばす段階では、今度は足の3点で床を押し、小転子を体の前面へ持ってくることを意識して、最初にとったポジションと同じところへ戻っていきます。
プリエは正しく行われると、上体の強化・股関節、膝や足首の柔軟性と連動性・着地時に衝撃を吸収するための弾力性やジャンプ時の膝の強さを作るなど、様々な良いことがあります。
これが後のテクニック向上に繋がるので、みなさんプリエを丁寧に頑張りましょう!