バットマン・デガジェの「デガジェ」は「解放する」という意味を持ちます。メソッドによっては「バットマン・タンデュ・ジュテ」や「バットマン・グリッセ」と呼びます。ちなみにジュテは「投げる」グリッセは「滑る・滑るように進む」という意味です。
動きとしては、タンデュから脚を空中に45°程浮かせたところまで脚を素早く出し、ポジションに戻ってくるものになります。音楽のテンポが速い時は、45°まで脚を上げずに床から少しだけ離れるところになる場合もあります。(メソッドによって名前が違うことから、厳密には脚を上げる角度や使い方はそれぞれ異なります。)
デガジェは全てのプチ・アレグロ(小さめのジャンプを含み軽快な音楽で行われるアンシェヌマン)のパの基本練習になります。
プチ・アレグロでは、例えばデガジェの脚の勢いを使って片脚でジャンプをし、両脚を寄せてポジションへ戻るものもあるので、正しく且つ素早く脚を動かせるようになることが大切になってきます。
デガジェはタンデュの延長で足を浮かせるので、まずはタンデュのおさらいをしましょう。
タンデュで意識することは
- 軸脚・動脚ともに床を押して引き上げてターンアウトを保ち続ける
- 動脚は動かしている間中、足の3点で床を押しながらつま先を伸ばしていき脚を張る。膝も常に伸ばす
- 上体の長方形が歪まないように、上体と脚を切り離して使えるようにする
でした。もちろん、大前提に引き上げとターンアウトがあります。足の出し方や戻し方もタンデュと同じですので、分からない方はタンデュの記事を先にご覧ください。
デガジェで意識するポイント
では、デガジェにおいて意識することを見ていきましょう。意識する事は3つあります。
まず1つ目は、出した足のつま先を瞬時に伸ばしきることです。
タンデュと同様に足を強くするパですが、タンデュのようにゆっくりと動足のつま先を伸ばすのとは対照的に、デガジェでは素早く伸ばします。
そして、ポジションに戻す際に「コツン」と音がするくらい指を遠くに引っ張り、床に着くまでつま先が緩むことのないようにしましょう。
2つ目は、脚を動かす速さです。デガジェはタンデュよりも速く脚を動かします。
脚を出す時は床を力強く擦ることを意識します。この床を擦った力と脚を遠くに引っ張ることによって、結果的に足が床から離れます。
足を浮かせようと意識するよりも、床を力強く擦ってからつま先を伸ばすことを意識するといいでしょう。
その方が後のテクニック向上に繋がります。
ポジションに戻ってくる時も速く戻すことを意識しますが、その際は特に上体と脚を切り離すことも意識します。
脚を戻す時に付け根を引いてしまっては内転筋が使われません。
内転筋の強さは全ての脚を打ちつける動き(アッサンブレなど)に必要です。上体と脚を切り離すには、仙骨を立てて足の3点で床を押すことでしたね。
3つ目は、軸脚です。素早く脚を動かそうとすることと足が床から離れることにより、上体が大きく揺れがちです。更に足が床から離れると、体重の全てが軸脚にかかります。
それだけ負担が増すので、足の3点で床を押しのけて、更に上体の引き上げへとつなげましょう。
デガジェはタンデュの延長であることの他に
- 出す足のつま先を瞬時に伸ばし、床に着くギリギリまで遠くへ引っ張る
- 動脚は出す時も戻す時も意識的に素早く動かす
- 上体がぶれやすくなるため、タンデュよりも軸脚と引き上げの強さが必要