ロン・ドゥ・ジャンブ・パール・テールとは「ロン」=「円」、「ジャンブ」=「脚」、「パール・テール」=「床について、床に沿って」という意味で、ポジションから前又は後ろに脚を出して、そこからコンパスで円を描くように180°脚を回してポジションへ戻すという動きです。
ロン・ドゥ・ジャンブ・ア・テールと呼ぶ場合もあります。この場合の「ア・テール」は「地面に」という意味です。
ポジションから脚を前に出し、後ろまで持っていくことをアン・ドゥオール(外回し:意味は外側へ)、後ろから前に持っていくことをアン・ドゥダン(内回し:意味は内側へ)と呼びます。
コンパスをイメージ
ロン・ドゥ・シャンブ・パール・テールを見ていく時にイメージすると良いものは「コンパス」です。
コンパスを使うときは、先が針になっている方を軸にして、針が中心から動いてずれないようにコンパスを少し押して円を描きますね。
ロン・ドゥ・シャンブ(パール・テールはこれ以後省略します)もこれと似ています。
コンパスの針の方を軸脚、鉛筆の方を動脚と考えてみましょう。その上で意識する事が2つあります。
ひとつ目は、「軸脚がしっかり立っている」こと。軸脚がしっかり立っていてくれないと動脚は自由に動かせません。コンパスの針がずれてしまう時って、鉛筆側は動かしにくいですよね。
「軸脚がしっかり立っている」為には、まず引き上げ(仙骨を立てる)・ターンアウト・足の3点が必要です。
更にそれを保った上で、ロン・ドゥ・ジャンブでは骨盤を軸足の真上で常に保てるように気をつけます。
これにより動脚が動かしやすくなりますし、骨盤がブレない=上体と下半身が分離されているので、動脚がどんな位置にあっても、上体がバーの方へ倒れてしまうということも防ぐことができます。
ということで、引き上げ(仙骨を立てる)・ターンアウト・足の3点・骨盤の位置(軸脚の真上)の4つで「軸脚がしっかり立っている」状態を作りましょう。
ふたつ目は、(ひとつ目を守った上で)動脚で可能な限り大きな半円を描くつもりで動かすこと。
特に、斜め前と斜め後ろをしっかり通るようにしましょう。
つま先で脚を遠くに引っ張るようにするといいです。(もちろんこれによって、骨盤がブレてしまってはいけません)
アン・ドゥオールの場合を見てみます。
ポジションから脚をドゥバンに出す時は、小転子を意識して、小さな第4ポジションを通過させてから軸脚のかかとの前につま先がくるようにします。
そこから両脚のターンアウトをしっかり保って斜め前を通りアラセゴンへもっていきます。
アラセゴンからデリエールまでの間は、まず骨盤の向きが動脚の方へついていかないように注意しながら、斜め後ろを通過させます。
斜め後ろからデリエールへは、軸脚の付け根(股関節)が後ろへ引けてしまわないように、小転子を前へ持っていくことを意識します。
デリエールでは、つま先は腰のラインのまっすぐ後ろの位置まで持っていきましょう。
そして、小さな第4ポジションを通ってポジションへ戻します。
アン・ドゥダンの場合は、デリエールから斜め後ろを通ってアラセゴンへ持ってくるときに、すぐさまかかとを前に持ってくるようにしましょう。
ロン・ドゥ・ジャンブの時も、コンパスの様に美しい円が描けるよう頑張りましょう。