バレエ・ラボの青木正典です。
いい姿勢になりたい、美しい姿勢を身につけたい、楽に動ける姿勢を身につけたい。
身体一つで表現するダンサーにとって、姿勢の重要性は言うまでもありません。
動きの基礎となる立ち姿勢を見直すことで、美しい立ち姿勢を身につけ、パフォーマンスアップにつなげていきます。
いい姿勢とは?
今回はいい姿勢の基準を紹介します。
いい姿勢を知る前にまず、一般的に言われている悪い姿勢を簡単に解説していきます。
一つ目の姿勢が、猫背
一般的に言われる猫背という姿勢です。
背中が曲がって膝も曲がっており、どう見てもいい姿勢、美しい姿勢ではありませんよね。
こういった姿勢が続くと、曲がった上体を支えようとするため、腰に負担がかかり腰痛につながります。
頭が前に出ることにより、そのバランスを取ろうとし、首・肩周りの筋肉が硬くなり、肩こりにつながります。
膝が曲がって脚に負担がかかるため、膝の痛みにつながります。
二つ目の姿勢が、反り腰
一見、いい姿勢に見えるかもしれませんが、身体が反り返っており、一般的に反り腰と言われる姿勢です。
腰に負担のかかりやすい姿勢です。
重心が前に行くことにより、腰だけでなく、太ももやふくらはぎにも負担がかかりやすいです。
女性やバレエダンサーに多い姿勢です。
最後にいい姿勢を紹介していきます。
この姿勢が取れると、先程までの姿勢ではなかった、身体の中を上下に真っ直ぐ貫く1本のラインがあることが何となく分かると思います。
そうすると無駄な筋力を使わないで立つことができ、いわゆる「骨で立つ」ことができます。
骨で立つと言っても、全く筋力を使っていないわけではないので、必要最小限の力で立つ、インナーマッスルを使って立つ、力が抜けており、力みがないといった姿勢となります。
もちろん身体への負担が少ないので、身体の症状も出にくくなります。
身体の中を上下に真っ直ぐ貫く1本のラインは一体何のでしょうか?
バレエでいう「センター」となります。
つまりいい姿勢を作るということはセンターを作るということになります。
いい姿勢、センターを作る10のチェックポイント
ではセンターは身体の中のどこを通るのでしょうか?いい姿勢の基準となるチェックポイントを紹介します。
姿勢を横から見て
①内くるぶしの下
②膝裏
③会陰(肛門の5mm前)
④仙骨の前
⑤臍の奥
⑥みぞおちの奥
⑦胸の奥
⑧鎖骨の奥
⑨耳の上
⑩百会
となります。
つまり、このポイントが一直線に並ぶように姿勢を作ることができれば、いい姿勢を作ることができるということです。
いい姿勢とインナーマッスル大腰筋
次は姿勢とインナーマッスルについて紹介していきます。
いい姿勢を作るのに欠かせない筋肉があります。
最重要インナーマッスルである「大腰筋」と言われる背骨と脚の骨をつなぐ、唯一の筋肉です。
背骨の胸椎12番〜腰椎5番から始まり、大腿骨の小転子に着く筋肉です。
この大腰筋を使うにあたって重要な2つのポイントがあります。
まず一つ目が大腰筋の始まる場所である「みぞおち」、二つ目が大腰筋の通過する場所である「股関節」です。
この二つのポイントは、いい姿勢を作る・大腰筋を使うにあたって非常に重要ですので、覚えておきましょう。
いい姿勢を作るのと同時に理想的なバレリーナになるためには欠かせない最重要インナーマッスルです。
大腰筋はアクセル筋と呼ばれるハムストリングスと拮抗関係にあります。
また呼吸をコントロールしている横隔膜と筋肉で繋がっています。
それらと関連し、身体の深層に位置する大腰筋は筋肉の中でも重要度が非常に高いことがわかります。
また、バレエで言うセンターを作るためには欠かせない筋肉で、センターは大腰筋を貫通するポイントに位置しています。