デブロッペ

デブロッペは「発展する」という意味です。

動きとしては、動脚をポジションからクドゥピエルティレ→を通過して、そこから前・横・後へアティテュードを通った後に膝を伸ばして90°以上脚を上げるものになります。

このデブロッペは、一般的にアダージョのパとして考えられており、ゆっくりした音楽に合わせて行われますが、その動きはスムーズで途切れず且つ動脚を最も高く上がるところまで上げる必要があります。

脚を高く上げるデブロッペは、長年の訓練とストレッチの賜物ともいえます。

デブロッペの注意点

では、デブロッペで注意する事を見ていきましょう。

デブロッペは各方向に向かって上げられますが、共通して注意することが4つあります。

まず1つ目は、5番ポジションからクドゥピエを通ってルティレまで上げたとき、そこで動きが途切れないようにする事です。

ルティレからアティテュードを通ってデブロッペまで脚を上げる事は大変なことなので、ルティレ辺りで気合いを入れたくなる気持ちも分かりますが…(笑)これでは流れが途切れてしまうのでいけません。

5番ポジションで押している床を、動脚がクドゥピエになっても変わらず押し続け、床を押すことで仙骨を立てて引き上げにつなげます。これで、体幹部のインナーマッスルが働きやすいので、特に前や横にデブロッペする時は大腰筋を使いやすくなります。

2つ目はルティレからアティテュードを通過する時、ターンアウトを保つこと。

ターンアウトは常に保つものではありますが、実際脚を高く上げようとすると、ドゥバンの時は膝が天井の方を向いてしまったり、アラセゴンの時もターンアウトが甘くなって動脚のお尻が上がってしまったり、デリエールでは膝が下を向いてしまったり…という事が起こりやすいです。
特にこれは、ストレッチがまだ十分でない場合に起こりやすいです。

3つ目はアティテュードからデブロッペへ伸ばす際に膝の高さを保つことです。

これもストレッチが十分でない場合に起こりやすいですが、アティテュードから膝を伸ばす時は、押し込むのではなく膝裏や腿裏を伸ばしていきます。だからこの部分の柔軟性が必要なんですね。
また、この時は足裏をしっかり使ってつま先を伸ばし、甲で膝を先導するようにしましょう。ここでも甲で空気を押すイメージをするといいと思います。

4つ目は上体です。動脚を高く上げることで、バーの方に上体かもたれかからないように気をつけましょう。
これは、5番ポジションやクドゥピエルティレの段階で既に軸脚の重心の位置がよくなかったり、軸脚の床の押しが甘くなったりすることが原因として考えられます。特にデブロッペではどうしても上げる脚に意識がいきやすくなるので、後者の床の押しが甘くなることは起こりやすいです。

デブロッペで気をつけたいこと

これらに加えて各方向でそれぞれ下記のことに気をつけましょう。

〈ドゥバン〉
ルティレから脚を上げ続けて、高いアティテュードを通ってからデブロッペへ伸ばします。
デブロッペになった時に、脚を高く上げようとして腰が丸まらないように気をつけましょう。
ドゥバンで脚を高く上げる時は、骨盤は後傾します。この後傾も、床を押した力を利用して行えるとベストです。

〈アラセゴン〉
ルティレからつま先を上げていき、つま先が膝より高く上がった時に大腿部が最も高く上がります。それから膝を伸ばしてデブロッペへもっていきましょう。
アラセゴンでは股関節からのターンアウトをきちんと行えないと、骨盤と脚の骨がぶつかってそれ以上脚が上がりません。また股関節を回して脚を上げると、動脚のお尻も上がりにくくなります。(もちろんドゥバンやデリエールでも股関節を回して脚を上げることは大切です)

〈デリエール〉
ルティレから膝を上げて、上げている脚と同じ肩の後ろに膝を持っていきます。そこからアティテュードデリエールを通ってデブロッペへ伸ばしましょう。
ルティレからアティテュードになる時、アティテュードからデブロッペへ伸ばす時に軸脚の付け根を引いてしまいやすいです。骨盤は上げる高さに合わせて前に傾きますが、あくまでも脚が上がる方が先です。後ろへ上げる時は、胸やみぞおち辺りを斜め前に持っていくイメージをするといいでしょう。
→この付け根を引くことは、上体のアライメントが変わるので、仙骨も傾いてしまいます。もちろん骨盤が前に傾くので、実際は仙骨も傾きますが、デリエールの時にも仙骨をずっと立てようと意識をすると、腰を変に反らせて脚を上げることには繋がりにくいので、腰の故障を予防するためにも大切です。
→また上手く体が使えた時は、みぞおちの裏辺りの背中が使われる感じがします。もし、腰がキュッと詰まる感じがするなら、それは仙骨が立っていない(骨盤が立っていない)かもしれません。

最後に、優雅なアダージョになるよう、デブロッペで必死になって息を止めることのないように気をつけてくださいね!

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